何を以って「自分はデザイナーです」と言えるのか
というのをここ1ヶ月くらいぼんやり考えています。
確かに自分は会社でユーザーインターフェイスデザイナーとして働かせて頂いてるけど、それだって極論を言えば「会社がそういう職を設けて、そこに運良く収まったからそう名乗れるだけ」とも考えられます。
よく言われる常套文句に「自分でデザイナーだと名乗ればデザイナーだよ」がありますが(僕もたまに使います)、これも半分正しくて半分間違っている。これまた極論だけど、人間なんてみなデザイナー(になれる種を持っている)なのだから。しかし、だからと言って、名乗っただけではデザイナーとは言えない。
何を以って「自分はデザイナーです」と胸を張って言えるのか。自信がなくなってきたっていうわけじゃないけど、はたといまの自分の仕事を振り返って「自分、本当にデザイナーなんかな…」なーんて思っちゃうわけです。いやデザイナーだと思っていますよ、がんばってお仕事してるし。お仕事の内容に不満があるわけでもないし。
しかし、しかしです。自分としては、今は無理でも、UIデザイナーという肩書きではなく最終的には「デザイナー」でありたいと、そう思っているわけです。欲張りだなあ。
これは完全に余談ですが、学生時代に読んだ雑誌で吉岡徳仁氏が「自分はデザイナーになりたい。デザイナーとは、建築とかプロダクトとか空間とか、そういうものを全部ひっくるめてトータルでできる人のことだから、だから自分はデザイナーになりたい」みたいなことを言っててすごく感動した覚えがあります(最近吉岡さんの肩書きが「アーティスト」って書かれてることが多いのはきっとの気のせい)。
で、じゃあデザイナーってどんな人間なのよ、何ができたらデザイナーなのよっていうのを考えるわけですが、これがなかなか出てこない。禅問答みたいですね。
仕方がない、ここはいっちょ偉大なる先達に教えを請うか、と思って引用させて頂くのが、ディーター・ラムスの10原則。
グッド・デザインは革新的
実用的
美しい
分かりやすい
でしゃばらない
誠実である
ながもち
ディテールまでが完璧
環境にやさしい
ほとんどデザインされていない
なるほど。以上の10個を正しく満たしたものをコンスタントに作れていればデザイナーだと胸を張って言えるのではないか!?
…というオチで〆たいと考えていたのですが、うーんやっぱり何かが足りない気がする…
この答えは、死ぬまで出ないような気がするなぁ。。いや或いはデザイナーという言葉自体を、考え直したほうがいいのか?人によって定義も違うだろうしなあ。。自分にはこれです!って考え方が一本通っていれば、それでいいのかなあ。