スマホアプリデザイナーひとりAdvent Calendar #7 /Android/ 見えないUIの話
僕はいま仕事量的にはiPhoneとAndroidが半々くらいなのですが、今日はAndroidアプリをデザインする時によく出会う問題について書こうと思います。
iPhoneとAndroidのUIにはたくさんの違いがありますが、Androidの特徴を一言で言うと「機能的、効率的」なのかなと思います。
ActionBarの概念は機能的だし、フラットなHoloデザインは効率的と言えます。ホームに置くウィジェットもAndroidの代表的な機能です。
でも、Androidには機能や効率を求めすぎて逆に使いにくくなってない?と思えてしまうものもちらほらあります。まあ実際に書いたら2つしか出なかったんだけどね。
・長押し
Androidアプリでは長押しが多用されます。
例えばGoogle ドライブではリストの長押しによって多くの選択項目が出現します。
必要な時に必要なアクションを出すというのは、ディスプレイの小さなモバイル端末では画面が煩雑にならないメリットがある反面、ユーザーが気づきにくいというデメリットがあります。
「タップ」はスマートフォンを操作する上で無くてはならないアクションですが、その延長線上にある「長押し」に気付く人はなかなかいないのではないでしょうか。
Androidの標準的なアクションとは言え、それがいつ作動するのかユーザーが判断できないのはあまりいいインターフェースではありません。
しかし長押し自体は便利なので「遷移後にもあるアクションをショートカット的に入れる」「ある程度のヘビーユーザー(大体知ってる)をメインに捉えたアプリ」「ユーザーが気が付かなくても問題ないアクションを入れる」あたりの用途であれば問題ないと思います。
ちなみに1つ目の「遷移後にもあるアクションをショートカット的に入れる」の具体例ですが、Twitterのような感じです。
タイムライン上のツイートを長押しすると返信やリツイートなどのアクションが出る
ツイートをタップして詳細に行くと、ちゃんとアクションが行えるようになっている
・Overflow
Holoから導入された機能の1つにOverflowがあります。ActionBarの右端に常駐してる「・・・」ね。
Overflowの何が問題かというと、何が入っているのかわかりません。概念的には、ユーザーが毎回は使わないだろう項目(設定や情報、アカウントなど)をしまうのに使われます。基本的に縦使いのモバイル端末ではActionBarにアイコンが2つしか置けないので、それ以外ということですね。
しかし、ユーザーがOverflowに何が入っているかは実際にタップして開かないとわかりません。
ちなみに「ギャラリー」はこんな感じ。
やっかいなのが、画面が遷移するごとに変わるのはまだOKなのですが、
こんな感じに
変えられたら
わからんわーっ!
要はタブのように画面遷移が起こらない、共通のActionBarが使われている画面でOverflow内の項目が変わると、ユーザーに気付かれにくいものとなってしまいます。
まあ上のはまだ優しいですよ。極端に増えたりするのとかありますからねー。
しかし画面遷移するごとに「実はここの中が変わってるんですよー」というのもアホらしいので、正直Overflowに関してはユーザーが「そういうものだ」と認識してもらうのを待つしかないと思います。或いは、そのようにならない設計をちゃんと考える、とかね。
余談ですが、Androidとは逆に、iPhoneはほとんどのアクションを画面内にちゃんとボタンとして置いている印象です。そのためか設計に限界を感じちゃう時もあったりなかったり。