UI Design Advent Calendar #2『UIデザインとワーディング』
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ひとりUIデザイナー Advent Calendar、2回目は『UIデザインとワーディング』です。
早い話が、UIデザインの中で言葉はとても大切だよってことです。
普段デザインをしていて、"言葉"に気をつけている人はどのくらいいるでしょうか。
僕自身は、ぶっちゃけここ1年くらい(入社後2年目突入くらい)からです。
クリッペンドルフの『意味論的転回』の第4章のはじめに言語について書かれているのですが、確か下記を読んで「ああ、言葉にも気をつけないと」と意識したのを覚えています。
"言語の使用は関係的である:語られたすべてのことは、他の誰かによって理解される という期待の下で、誰かによって語られたことである。" p.176
- 作者: クラウスクリッペンドルフ,Klaus Krippendorff,小林昭世,西澤弘行,川間哲夫,氏家良樹,國澤好衛,小口裕史,蓮池公威
- 出版社/メーカー: エスアイビーアクセス
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
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まあ本来書かれている意図とは少し違うのですが(この章は「言語コミュニケーションの中で人工物がどのように生命を持って流動していくか」みたいな内容…だったと思います、多分、きっと……)、言葉・言語はUIデザインとも深く結びついてるのかな、という考えが自分の中で生まれました。
UIは、単にヴィジュアルだけでユーザーとプロダクトを結ぶだけじゃない、言葉とか、色んな要素をちゃんとコントロールしてこそのUIデザインなのだなと。
じゃあワーディングとして悪い例はなんだろうと言いますと、これはとても簡単なことで「ユーザーに伝わらない言葉づかい」になるわけですね。で、ユーザーに伝わらない言葉づかいってなんだろうと考えると「自分たちに馴染みのある言葉」「エラーコードそのまま伝えてしまっている」「状態をそのまま伝えてしまっている」あたりが当てはまるのではと思います。
自分たちに馴染みのある言葉を使う
これは開発側に馴染みのある言葉とも言えますし、受諾開発であればクライアントに馴染みのある言葉とも言えます。
例えば「ツールバーのアイコンをタップしてください」「◯◯が完了しませんでした」などです。
ただし後者の場合、すでに広く知られている言葉や、ユーザーがよく目にする言葉であればさほど問題はないでしょう。ただし、そのユーザーは"誰か"を考える必要はあります。
Twitterを例に挙げれば、日本人でも「リツイート」はよく使いますが「リプライ」は「返信」という言葉に置き換わっています。
エラーコードをそのまま伝えている
これはけっこうありがちなのではないでしょうか。「エラー:4401」など、エラーコードやメッセージをそのまま出してしまっているパターンです。
こればっかりはエンジニアとデザイナーがちゃんとコミュニケーションを取りましょうとしか言えません。その状態が何であるか、正しい言葉で表現しましょう。
状態をそのまま伝えている
これは言葉を勘違いしているパターンになります。
例え事実だったとしても、ユーザーが既知の内容だったとしても「あなたのメールアドレスをクラウドに保存しました」と言われたら違和感を覚えると思います。
「ユーザーに不安を与えない言葉に置き換える」「そもそも言わない」といった対応が考えられます。
UIデザインと言われると見た目のスタイリングにばかり目が行きがちですが、ぜひ言葉のデザインにも注目してみてください。