よりぶろ

アプリのUIとかについて書いてく予定

高齢者に対応したUIの変化についての考察

年始に大叔母(齢80幾つ)が実家にいらしたのですが、なんとAndroidタブレットを持ってきました。

で、WhatsAppの使い方を教えて欲しいと頼まれたので色々教えたのですが、やはりこのご年齢になるとHoloのデザインなんてわかったものじゃないんですよね。

HoloはアイコンだけでUIの説明を完結させている側面もあり、言葉で説明するのがとても難しかったし、説明したところで本人が「示されたよく分からない図 + それを指す日本語」と「これまでの経験で培ってきた図像への理解」とを結び付けられるかどうかもハードル高かったです。

もちろん、ひょっとしたらWhatsAppがもっと頑張れば高齢者にも使いやすいアプリになっていたかもしれませんが、ここで僕はあることを感じました。

(もうアプリって情報強者や若い人だけのものじゃないんだよなぁ。。これは何かUIについて考えていかないといけないぞ)

と。

 

そんなこんなで寝正月を過ぎた頃、考察の体で以下のUIを考えてみました。

軽く説明すると「これからのUIはユーザーの環境によって変化していくと良いのでは」という持論と「では若者ではなく高齢者が使っているとアプリが判断するのはどの要素からだろう?」という想像から考えたものです。新しくAndroidの画面をつくるのがめんどくさかったのでありもののiPhoneの画面を使ったのはご愛嬌というやつです。

ちなみに使った画面はこの本用に作ったものなので全体像を知りたい方はぜひ…購入を…!

 

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ひととおりお見せした後で解説するのもアレですが、トリガーとして「フォントサイズの変化」を頼れるんじゃないかと思ったわけですね(※OSの仕様がどうとかは全く考慮に入れていません)。スマホ買って子供や孫に自慢した時に「でもお婆ちゃんこの文字の小ささじゃ読みにくいでしょ?ちょっと変えてみるね〜…」という具合でいくんではと。

NavigationBarやTabBarはアイコンが主役のUIから文字が主役のUIへと変化しています。それに合わせて、彩度やフォントのウェイトにも変化を持たせています(ウェイトは今でも変えられるけど)。

あと、上部の検索ボックスのところは「より分かりやすい = タップするのに恐れない言葉遣い」になるように敢えて変えてみました。

なお今回は軽い考察のため、他の部分に変化は出していません。ユーザーテストもしていません。あしからず。

 

そのほか、文字だけのUIが本当に分かりやすいのか?どういった文脈であればUIを理解してもらえるのか?易しい方向にはいくらでも持っていけるが、本当でそれでいいのか?などなど、議論の余地もたくさんあると思います。

アイコンには言語による縛り(文字の長さなど)もなくサイズも一定に保てるというメリットもありますしね。

どちらかと言うと、まずは「これからの(特に万人向けの)アプリはより誰が使うか分からなくなるぞ」「変化はキーワードになりそうだぞ」といったところに目を向けて頂ければと思います。

 

ちなみに今回フォントサイズをトリガーにしましたが、今後ウェアラブルデバイスなどが広い世代に普及すれば、そこにある年齢情報などをスマホ側で読み取り、所持者によってUIを動的に変える、なんてことも考えられそうですね(娘のスマホを一時的に母が借りて使うようなシチュエーションとか)。

ちょっと話がズレるけど、ローカライズによってその国の文化に則った色彩設計やアイコンに変わるとかもアリかなあと僕は思います。

 

とにもかくにも、これからますますUIを考えるのが楽しくなる世の中がやってきそうです(よく分からない〆方)。